6月第2週

8日

朝から彼女が仕事なので、連れ立ってお出かけ。お見送りして、私は職場そばのカフェでキケロを読む。ほぼ外だったので肌寒かった。昼すぎに合流し繁華街へ。私の中高の友人と三人で食事をとることになっている。彼女も友人も不安だったようで、タモリ役をがんばろうと思ってたけど、女性同士の会話のうまくやる感じ、さすがである。むしろ私が会話に入れなかった。うまくやると言っても表面的なものではなく、お互い気に入っている様子で、彼女の方から友人も夕飯に招待しようか、と提案してくれる。夕飯は彼女と彼女の友人ととることになっていた。

場所を変えてお茶をする。パンの話やファッションの話などする。彼女が友人の髪型を褒めるので私もついでに褒めてもらう。パンの趣味は合わないようだったが服の趣味は合うようで、買い物に行く。時間が余ったので一旦解散することに、良い子だねえ、仲良くなれそう、という言葉に安心し、少し昼寝する。

夜になり、四人で食事。若者扱いを受けることに少し戸惑いながら、失礼なことを言ったり嘘をついたり話を飛躍させたりして、順調に彼女の友人に怒られ、なんども彼女の陰に隠れる。あくまで順調。友人だからそういうものなんだろうけれど、彼女に似たところの多い、素敵な人である。カフェバーに移動して甘いものを食べる。彼女と知り合えてよかった、こんなに素晴らしい人はいない、などと伝えると、よく見つけたね!!と言ってもらえる。解散した後は今日は楽しかった、会って/会わせてみるもんだ、また集まろう、などとポジティブな言葉しか出てこない。温かい気持ちで眠りにつく。

 

 

 

9日

お腹がいっぱいだけれど朝からパンを食べ、支度をして出かける。彼女の服装がとても良く似合っていて、ドキドキする。雨の中、繁華街へ。

用事を済ませた後、古本屋へ。お待たせしないよう1冊だけ買う。

ぶらぶらと買い物。彼女が両親に贈り物をするとか。店員さんの「仲良さそうですね」みたいなのに「初対面です」「ストーカーです」「私幽霊なんです、ほら足無いでしょ?」などと話して、邪魔ばかりする。なんだかんだでよい買い物をする。その後も、昨日緊張した反動なのか、私がよく喋った。意味のない言葉をさらさらと吐き出していたように思う。ポケモンセンターを通りがかった時に、高揚していたのと子どもたちの興奮が結びつき、急に叫びたくなる。叫んでもいいけど、10秒待ってね?その間に知らん人のふりするから、などと言われる。とにかく何をするわけでもないのに二人共浮き足立っていたように思う。

早めの晩御飯で寿司屋へ。夏にどこに行こうみたいな話をする。その後、お茶しながらいろいろ昔話をする。期せずしてしにくい話をすることに。どんどん距離が近くなった感があり、彼女が心を開いてくれている感もある。好きにもなっているのだが、同時に私の心の奥を開けているのか不安になるときもある。偶然と必然について、優先順位について、可塑性について、いろいろ考えなくてはならない。ほとんど雨は降っていなかったが、手をつないで傘をさして帰る。

しばらく会えないね、と最後の夜を噛み締める。

 

 

 

 

10日

お別れ。電車の中肌寒いといけない、とパーカーを借りる。彼女の匂いにつつまれながら新幹線に。キケロに集中できない。

授業に飛び込む。丸二は水曜くらいまで閉めているようで、少し心配しながらみずほに。ハンバーグ。参るくらいおいしい。同居人に、下の階に最近越してきた方の話を聞く。絵に描いたようなジゴロらしい。5限まで出て、サブウェイで持ち帰って帰宅。バナナジュースを飲む。読書会。キケロ。人数がかなり少ない。私の読み方がかなりおかしかったようす。時代背景や歴史における位置づけがわかっていると、大きく外すことはないのだろうな。ヘーゲル精神現象学の序文でそんなのは何ら理解の助けにならない、とキレていたけれど。熱い男やで。

なかなか寝付けなくて日記書いたりする。知らないうちに就寝。

 

 

11日

朝起きれない。最近、パンクした自転車を放置して、もう一台の方に乗っている。家を出ようとしたらその自転車が見当たらず、途方に暮れる。絶対に遅刻してはいけない授業だったので、仕方なしにタクシーに乗る。若干遅刻し冷や汗をかいたが、許容範囲内であったようで安心する。今日提出のレポートを半ばあきらめていたのだが、同居人に多分に助けられてなんとか提出。プログラミング課題もなんとかやっつけて提出する。あとは木曜提出の電子回路設計の課題を残すのみだけれど、協力者を発見し期待できそうである。

バイト。昼食の代わりにパイナップルを食べる。手が汚れて口の周りは痛くなり、散々。

電話しながらとぼとぼ歩いて帰宅。ロードバイクのパンク修理をする。ついでにフレームの掃除やリムテープ交換、コンポーネントの調整をする。意外と時間がかかってしまい、1時ごろ就寝。

 

 

12日

バナナだけ食べて学校に行く。2限が休講だったので早めにバイトへ。昼食は寿司と蕎麦。江戸っ子や。普段はバナナジュースに混ぜる青汁を、水で飲んでみるとこれがなんとまずいことか。

夕食は食べずに、帰ってパイナップルとウイスキー。同居人の将来、私の将来の話をする。我々は卑弥呼であることを求められているのだ。